制服じゃない祥太が現れて、
一気に心拍数が上がった。
爽やかな水色の半袖シャツの中に、
白いTシャツが見えて、
ベージュのクロップドパンツの裾を折っていて……
いつもよりもふわふわとした髪をいじりながら、
こっちに歩いてきた。
おばあちゃんは縁側に行き、
「祥太ちょっと……こっちこい」と、祥太を隣の台所に呼び込んだ。
祥太は縁側から、おばあちゃんのいる台所の方へ入っていった。
なんだろう……
しばらく待っていたんだけど、気になって、
縁側に行き、台所をのぞいた。
祥太はボディバッグにハンドタオルを入れていた。
「優衣、川に行ってこい。
気晴らしになるさ。
祥太がついていれば、ばあちゃんも安心だしな」
私は笑顔で頷いた。
「ばあちゃん、昼には帰って来るから」
「あぁ、わかった。
昼ごはん用意しておくさ。
でも、まぁ……ゆっくりしてこい」
おばあちゃんは、祥太のバッグをポンポンと叩いた。
祥太は頷いて、ボディバッグを背中に背負うと、「行くか」と言って、
縁側から外に出た。