「約束」涙の君を【完】






夢を見た。




私は海を泳いでいて、


必死に海岸を目指していて……




でも、海中から、







お母さんが私の足を





引っ張っていて……







やめて…離して……







溺れる…溺れてしまう……





海中に沈んだところで、





目が覚めた。







私は白い天井の中に、

おじいちゃんとおばあちゃんを見つけた。






「優衣!優衣!!


大丈夫か?


じいちゃん、看護師さん呼ぶボタンどれだっけか?」



「なんだぁ?これじゃねぇか?」



おじいちゃんが、ボタンを押した。




「優衣、ここは病院だぞ。


優衣の財布に、ばあちゃんの電話番号が書いてあるメモが入っていたからって、


連絡がきたんだ」




ここ、病院……




「はぁ…はぁ……」




あれ…




「はぁ……はぁはぁ……」




なんか、喉が詰まる。


「どうした?優衣?」



おばあちゃんが私の顔を覗き込んだ。





なんか、喉が変だ。




話そうとしても、



息しか出てこない。





何度も唾を飲み込んでみても、


喉の違和感が取れない。






私は、首を抑えた。






「優衣?」