捜索願
事件
事故……
考えないようにしていた言葉が、一気に頭の中に浮かんできた。
「どうしよう…おばあちゃん」
その時、家の電話が鳴って、びっくりした。
「ばあちゃんが出るからな」
そう言って、おばあちゃんは一度頷いてから受話器を取った。
「はい。
は?はい、そうです。
え、え…はい。
は……わかりました。
はい、はい…」
おばあちゃんは電話の脇のメモ帳に、なにかを書き取り、
それから電話に向かって何度も頭を下げ、受話器を置いた。
そしておばあちゃんは、そのまま立ち尽くした。
「おばあちゃん?ねぇ、誰から?
おばあちゃん?」
おばあちゃんは、今まで見たことないぐらい険しい顔をしていた。
「お母さんの車がみつかった」
「え‼どこで?どこにいたの?」
「………海の中だ」



