2学期に入り、



しばらく経った時、


お父さんとお母さんは、


離婚した。



とりあえずこのまま、この家に3人で暮らせるし、


今までもほとんどお父さんは家にいなかったから、


離婚したからといっても、あまり生活は変わらなかった。






ただお母さんはひどく落ち込んで、とても疲れていた。


そして時々薬を飲むようになっていた。


どこか具合が悪いの?と聞くと「大丈夫。栄養剤よ」と決まって答えた。


毎日お母さんの様子が心配だった。



毎晩泣いているし、動けないほど、体がだるい日もあった。



私は学校に通いながら、毎日家事を手伝った。



お兄ちゃんは、発達障害と診断されて専門の先生に診てもらえるようになってから、



以前よりも落ち着いてきたように感じた。







そんな毎日を過ごしながらも、時々祥太を思い出していた。



でも、



とてもじゃないけど、


今のお母さんに『おばあちゃんの家に行きたい』とは、



とても言える状況ではなく……


瑠璃色の石を引き出しにしまったと同じ様に、


祥太への思いも、


心の奥にしまっていた。