「約束」涙の君を【完】




おばあちゃんは、祥太の言葉に大爆笑した。



「なぁ、祥太。


祥太みたいにここが好きな人もいれば、ここが嫌いで、出て行きたいって思っている人もいる。


祥太みたいに、虫が好きな人もいれば、


優衣みたいに虫が嫌いな人もいる。



同じものでも、嫌いだったり好きだったりなぁ…あははっ!




だから、まぁいろんな人がいるってことだ。


万人から好かれよう、自分をわかってもらおうっていうことは、


祥太だけじゃない、みんな難しいんじゃないか?



わかってくれる人が、わかってくれればそれでいい。



それぐらいの気持ちでいなぁ、やってらんねって、なぁ、優衣」




おばあちゃん……






「うん。そうだね」




祥太は、アオムシのついたとうもろこしを持って黙っていた。




「ほれ祥太、どうした?

しかたねぇ、いつもならアオムシつぶしてんだけど、

庭に逃がしてきてやんな」


そうおばあちゃんが言うと、祥太はとうもろこしを持って縁側の方へ歩いていった。