祥太に連れられて、おばあちゃんの家まで帰ってきた。
縁側から中をのぞくと、誰もいなかった。
「ただいまー!
おばあちゃーん!祥太来たー!」
そう大きな声で言うと、おばあちゃんが台所の方の窓から顔を出した。
「あぁ、昨日の?
よく来たなぁ。上がって、こっち手伝え」
それだけ言ってまた顔を引っ込めた。
「行こ」
靴を脱いで縁側に立ち祥太を見ると、遠慮しているのか祥太は突っ立ったままだった。
「祥太?なんか手伝ってだって」
祥太はしばらく考えてから、網とバケツを地面に置いた。
そしてビーチサンダルを脱いで、
足の裏をパンパンとはたいてから上がってきた。
「お…おじゃまします」
「おばあちゃんちに来る人で『おじゃまします』って言ったの祥太が初めて」
そう言うと祥太は顔を真っ赤にした。
そしてそのまま二人で台所に行くと、おばあちゃんが大きなお鍋でお湯を沸かしていた。
「とうもろこし食べていきな。
皮を剥くの手伝え、ほれ」
そう言って新聞紙の上にある大量のとうもろこしから2本取り、
私と祥太に渡した。
「今日、ちょっと多くない?」
おばあちゃんは、床に座ってバキバキと皮を剥き始めた。
「男の子だろ?たくさん食べな!
そんな痩せっぽっちで。
ちゃんとご飯食べてんのか?」