その頃は、
東京にも居場所がないし、
こっち来ても友達もできないし、父ちゃんを悪く言われるし。
もう、全てに嫌気がさして、
ひねくれていた。
でも、そんな俺を励ましてくれたのは、
優衣だった。
大丈夫だよって、言ってくれたんだ。
それが、どんなに嬉しくて、心強かったか……
優衣は知らないだろ……
俺を救ってくれたのは、
俺を強くしてくれたのは、
優衣なんだって。
だから、
心に深い傷を負って優衣が帰ってきた時、
絶対に俺が、
今度は支えるんだって思った。
今にも壊れてしまいそうな心で、
後ろを向いては、涙を流して、
不安になっては、また涙をためて……
それでも、
また、前を向こうとして、
顔を上げようとして……
そんな優衣に、
俺の方が励まされていたんだ。