新幹線を下り、優衣のいる駅に行く電車に乗り換えた。





灰色の景色から



緑色の景色へ………






水田が、鏡のように空を映して、



青く光っていた。


その時、携帯がブルブルと震えた。




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もうすぐかな?



神社で待っているからね!


優衣

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神社か……






ふと、優衣に初めて出会った時のことを思い出した。




あの日………




転校したばかりで、何もかもがうまくいかなくて、



また、家出しようとしていたんだ。



山沿いを歩いていたら、石段が見えて、



上っていったら、




優衣がしゃがみこんでいたんだ。




声を掛けたら、顔を上げて……



一瞬で、恋をした。






こんなに可愛い子を見たことがないと思った。




一緒に遊ぼうと言われて、嬉しかった。




でも、きっとじいちゃんや、ばあちゃんに父ちゃんの話を聞いたら、



どうせ、やっぱ遊べないってなるんだろって、





行かなかった。








だから、川に来てくれた時は、



本当は飛び上がるぐらい嬉しかったんだ。