「結城ー合コンあんだけど行かね?」
終業式が終わると、
東京でなんとなく仲良くなった智志が声を掛けてきた。
「俺、彼女いるからって言ってるだろ。
行かねーよ、合コンなんて」
「いいんだよ、彼女がいたって。
その場が盛り上がれば。
どうせ彼女と遠距離なんだろ?
言わなきゃばれねーって」
俺は、でかいバッグを肩に掛けた。
「俺さ、彼女以外全く興味ねーから。
じゃあな」
俺は、教室を後にした。
それどころじゃねーって、俺はこれから新幹線に乗って……
「結城くん」
廊下でいきなり呼び止められた。
見ると、同じクラスの女子だった。
「ごめん、ちょっと急いでいるんだ」
「あのさ……夏休みの予定って……」
「夏休みの予定?
夏休みは、彼女の家で暮らす予定」
「彼女の家で暮らす……?」
「うん。だから、急いでいるんだ。
じゃあな」
俺は、急いで廊下を走り、
校舎から飛び出した。
早く、早く会いたいんだ。