夕方前には、解散となり、
みんな祥太に声をかけてから、
帰っていった。
「元気でな……」
賢人くんは、祥太の肩をポンとたたいた。
「あぁ……賢人もな」
「こっち来た時は連絡してよ」
あおいは、目が真っ赤だ。
「わかった」
「優衣のことは、安心して。
うちらがちゃんとそばで支えてやるから」
杏は、涙ぐみながら笑った。
「頼むな……」
「じゃ……」
3人は一緒の方向に帰って行った。
二人だけになって、
私は自転車に乗った。
「ひとりで帰れるから」
私がそう言うと、祥太も自転車に乗った。
「明日、電車何時?」
「10時頃には、駅に行く」
「わかった……見送りに行くから」
祥太は頷いた。
「じゃあ……また、明日ね」
私はひとりで、自転車をこぎ出した。
私、もう……
ひとりでも大丈夫だから。
私は一度も振り返らずに、
家へと自転車を走らせた。