それからまた、 いつものように、ずっと一緒にいる毎日が帰ってきた。 でも、 ひとつひとつのことが、 思い出になると思うと、 ひとつひとつが、 一緒にいられる一秒一秒が、 とても大切に思えた。 祥太の背中から見る通学路も、 手を繋いで歩く廊下も、 授業中に、目が合う瞬間も、 全てがもうすぐ、 思い出になる。 触れる手も、 髪を撫でる指も、 キスをする唇も…… 全てがもうすぐ、 遠くへ行ってしまう。