「えっ………」
誕生日……?
連れて行ってくれて……?
「びっくりしたんだよ。祥太が優衣ちゃんと海に行くって聞いて。
優衣ちゃんだって、海には色んな思いがあるだろうし、
祥太だってね……
母親が死んだ場所だからね」
え………
そんな……
祥太のお母さんも……
「祥太はね、
9歳の誕生日に、
母親に海に連れて行かれたんだよ。
それでね、
祥太が言うには、抱っこされて、
ずっとずっと海の向こうまでお母さんが歩いて、
その間、
ずっとお母さんが『ごめんね。ごめんね』って、
謝っていたんだって。
結局、お母さんは死んで、
祥太は助かったんだ。
だから祥太は、
あの日以来、海には絶対に近づかなかった。
母親が死んだ場所だし、
母親に殺されそうになった場所だから」



