祥太の部屋の前に着くと、
ドアをトントンとノックしてから、
そっとドアを開けた。
見ると、ベッドに祥太が寝ていて、
そっとそっと近づくと、
横向きで、祥太は爆睡していた。
寝顔を見て、その可愛さに、
きゅんとして、
やっぱり私は祥太が好きだと思った。
起こしちゃいけないと思って、
私はまた、そっとそっと部屋から出て、
階段を下りた。
買ってきたものをお父さんに渡そうと、
リビングのドアを開けると、
中からコーヒーの良い香りがしてきた。
「あぁ、祥太は起きていたかい?」
「いえ、よく眠っていたので……
私、帰ります。
これ、よかったら食べてください」
私はビニール袋をお父さんに差し出した。
「そんなんじゃ、祥太が残念がるだろう。
よかったら、起きるまでコーヒーでも飲んで待ってくれないかい?」