夕方、あおいが家から帰った後、
携帯が鳴った。
祥太?
「ういーっす」
【……賢人】
「なんだよ!テンションひく!」
【ちょっと今から会えるか?】
「お、おう。どした?なんかあったか?」
【うん……まぁ……
駄菓子屋のとこで】
「おう、わかった。また後でな」
なんか変だな……祥太のやつ。
俺は外に出て、チャリンコを自販機3つ並んだ駄菓子屋のところまで走らせた。
駄菓子屋に着くと、
自販機横のベンチに祥太が座っていた。
男から見ても、祥太はムカつくほど爽やかなイケメン野郎だと思う。
「どした?なんかあったか?」
俺も隣にどかっと座ると、
祥太は、少し前屈みに座った。
「俺さ、
3学期終わったら、東京に転校だよ」
「はああ????」
俺も、びびって前屈みになった。
「優衣ちゃんは?優衣ちゃんは知ってんのかよ?」
祥太は何回も頷いた。
「さっき、言った」
「そんで?」
「すっげえ……泣かれた」
「だろうな……」
祥太は背もたれに、ぐっともたれて、上を向いた。
「行きたくねーな……」
そう言って祥太は、
腕を顔に乗せた。