駐輪場につくと、
「ひとりで帰れるよな」と、
祥太は自分の自転車に乗った。
私は頷いて、自分の自転車を出した。
正門を抜け、橋を渡ると、
「じゃあな」と、
祥太は左に曲がって行ってしまった。
私はしかたなく、ひとりで右に曲がった。
目が腫れて痛い……
曲がってすぐに止まって目をこすって、後ろを振り向くと、
祥太も止まって、こっちを向いていた。
なんで止まってんの……
祥太は私と目が合うと、
すぐにまた前を向いて、
走っていってしまった。
ひとりで……
祥太のいない生活……
私はまた目をこすって、
自転車をこぎ出した。