「東………京………」
私が住んでいた所に、
今度は祥太が………
「やだ………
絶対にやだ………やだ……
東京なんて、行かないで!!
置いていかないでよ……
ひとりにしないで……」
涙がこぼれて、こぼれて……
どうしようもなくこぼれて。
祥太はまた俯いてしまった。
「俺には、どうすることもできないんだ……」
そんな……
「ごめんな……ずっとそばにいろって言ったのに。
ずっと一緒にいるって約束したのに。
俺は、約束を守ることが……できない。
本当に……ごめん」
俯いたままの祥太が、さらに頭を下げた。
「ひとりじゃ……私……
生きていけない……
祥太がそばにいてくれないと、私……
生きていけ……」
「そんなこと言うな!」
祥太は、ガバッと顔を上げた。
「俺は、東京だろうが、どんなに離れても、
優衣を好きだという気持ちは絶対に変わらない。
ただ、
そのことで、優衣がさみしさに押しつぶされて、
生きていけないぐらい苦しむのなら、
それは、俺の望んでいることじゃない。
ちゃんと終わりにして、
優衣を解放してあげないといけないって思っている」