「約束」涙の君を【完】





教室に入ると、今日は男子たちが開店前の準備をしていた。




「結城くーん!」



窓際のテーブルを拭いていた祥太に女子たちが声をかけると、



祥太は顔を上げた。



「じゃーん!水沢さんかわいいでしょ!」



女子たちに背中を押されて、祥太の前に立った。




祥太は、布巾を持ったまま固まった。




「変……かな……



てか、変……だよね」





メイクをしている自分を見せるのが、恥ずかしくて、


思いっきり下を向いた。





祥太は布巾を置いて、私の目の前に立った。




そして、顎をくいっと持ち上げてきたから、


されるがままに、祥太を見上げた。



「結城、超顔真っ赤じゃん」


「水沢に上目遣いで見つめられたら、

俺だったら、一撃でぶっ倒れるわ」


「だな、可愛過ぎだろ」






祥太は、顎から手を離して、


はぁ……と下を向いてため息をついた。



「誰にも見せたくねぇ……」




そうつぶやいて、顔を上げると、


祥太は真っ赤な顔で、


ちょっと不機嫌そうに、私をジロッと見た。




「頑張るんだろ」


「えっ……うん、頑張る」



「俺は……」
「あ、開店開店!いらっしゃいませー!」