「約束」涙の君を【完】




「やっぱ優衣はかわいいよ!


あとは……そうだ、こっち」




杏は、女子たちが集まっている所に私を連れて行った。




「ねぇ、優衣は髪型どうしたらいいと思う?」



床に座っていた女子たちは、私の顔を一斉に眺めた。




「ちょっと、ここに来な」




女子たちは、真ん中を開けて、私をそこに座らせた。



「水沢さんて、いつもポニーテールだよね。


今日は下ろそうよ」



「いいね、いいね。


コテ貸して、毛先巻くから」



「メイクメイク……」




真ん中に座った私は、まるで人形のようだった。

でも、



みんなの顔が真剣で、


私のことを、こんなに一生懸命やってくれるんだと思ったら、



すごく嬉しかった。




「花のバレッタがあるよ」


下ろした髪の右耳の上に、黒い花のバレッタをつけてくれた。




そして「じゃーん!」と、手鏡を渡され、




恐る恐る自分を映すと……







「う、うわっ!」






私は思わず手鏡を膝の上に伏せた。




なんだ、今の……



メイクをした自分を、見慣れないせいか、引いてしまった。




「水沢さん、かわいい……」


「ちょっと大人っぽくなったよね」


「髪下ろすと、雰囲気変わるね」


「いや、メイクじゃん?


超かわいいよ、


結城くんの反応が楽しみ!」



「だね!早く見せに行こうよ!」



え、えっ!



「行こ!行こ!」



女子たちに引っ張られて、そのまま教室に連れて行かれてしまった。