「あれ、麻生がいなくなっちゃったのかよ。
んじゃ、呼び込みチームからひとりこっち呼ぶか」
オレンジのつなぎを着たレスキュー風の男子が、携帯を取り出した。
「あ、結城?麻生がどっか行っちゃったから、
こっち手伝って。
おう、
んじゃ」
さっきまで賢人くんに群がっていた女子たちが戻ってきた。
「文化祭だから、いいかなって思ったけど……
あおい怒っちゃったかな」
「かっこいいから、興奮しちゃったって後で謝ろう。
やっぱ彼女がいる男子に、一緒に写メ撮ってはまずいか」
女子たちが落ち込んでいる時、
教室に祥太が入ってきた。
「きゃー‼結城くんも執事!執事なの!」
「かっこいい‼」
女子たちはまた、ついたてから出て、
祥太の周りを囲んだ。
あの……たったさっき彼女がいる男子にはまずいかって言ってたような……
祥太は女子たちを軽くあしらって、男子たちの中に入って行った。
「ごめんごめん。
かっこいいからさ、興奮しちゃった」
へへへっと笑いながら女子たちがまた戻ってきた。
かっこいい……か……
ついたての隙間から、調度祥太が見えて、
思わずじっと見つめてしまった。
背が高くて、スタイルが良いから、
黒いタキシード姿が、
本当によく似合っていた。
「いらっしゃいませ!」
ぼーっと見惚れていたら、お客さんたちが、ぞくぞくと入ってきた。



