え……
祥太の言葉に、持たれた肩から顔を上げた。
「何言ってんだよな……俺」
祥太は私の顔を見て、くりっとした瞳を細めて笑った。
あ……まっすぐこっちを向いて笑ってくれた……
やっぱりかわいい。
私は、繋がれた祥太の手を両手で握りしめた。
「連れて帰ってもいいよ……」
そう言って、祥太の顔を見ると、
また下を向いて笑った。
「冗談だよ。
今帰ったら俺、
優衣に優しくできないから」
そしてまた、私を肩にもたれさせ、
頭をぽんぽんと撫でた。
優しくできないって、
どういう意味だろう……
駅までの長い道のりを、
言葉の意味を考えながら、肩にもたれていた。