あおいと杏と賢人くんは歩きで、
その前を、私と祥太が自転車を引いて、
私の家へと向かった。
「嬉しいな…私、友達が家に来てくれるの初めてだから。
東京の家にも来てくれたことなくて」
私の言葉に、祥太は少し驚いていた。
「そうだったんだ」
私は、頷いた。
「良かったな」
「おばあちゃんたちびっくりするかな」
私が笑うと、祥太も笑って下を向いた。
「明日なんだけどさ、
朝9時に迎えに行くから」
ずっと楽しみにしていた土曜日。
いよいよ明日だ……
「うん」
「電車に乗るから」
「電車?どこに行くの?」
祥太は、少し笑って、
「ちょっと遠く」と答えた。
ちょっと遠く……どこだろう。
「遅くなるってばあちゃん達に言わなくちゃな」
遅くなるんだ。
遅くまで祥太といられるんだ……
「明日楽しみ」
私がそう言うと、祥太はまた、下を向いて笑った。