放課後、
賢人くんが、あおいに話しかけようと隣を向いたら、
あおいは立ち上がった。
「なんで、避けんだよ……」
賢人くんは、あおいの腕を掴んだ。
「いや、なんとなく。てか、腕を離せ」
あおいは、嫌そうに腕を引っ張った。
「あおいの家、行っても……」
「まじ無理だから。今日……無理」
「何いちゃいちゃしてんの?」
杏が二人のところに来た。
「いちゃいちゃなんかしてない!」
あおいの顔は真っ赤だ。
「今日暇だからあおいの家行っていい?」
あおいは少し考えて、
「今日は……無理、ごめん」
と下を向いた。
なんだか、3人の関係が……気まずい感じがして……
「あのさ、うちに……来ない…?」
私は思い切って3人をうちに誘った。
東京にいた頃は、家に友達を誘っても、実際に来てくれた事が一度もなかった。
3人は……どうだろうか……
「優衣の家行っていいの?
超行きたいんだけど!」
杏は喜んで私の腕に絡みついてきた。
「あおいも賢人も行こうよ!
祥太ももちろん、一緒でしょ?」
祥太は立ち上がってバッグを肩に掛けた。
「行くよ、俺も」
私は、笑って頷いた。
「あおい、行こうよ。優衣ちゃんち」
賢人が言うと、あおいは少し考えてから頷いた。
「みんなが行くなら、私も行こうかな」
良かった……
「じゃあ、行こ!」
杏が私とあおいの手を引っ張ったから、
3人で、教室を出た。