陽菜は両手で涙を拭って、はぁとため息をついた。
「もう、無理なのかな……
どうしても、もう無理なのかな……
はぁ……」
陽菜はまたため息をついて、くるっと向きを変えて、
自分の教室に戻っていった。
「あの、山崎さん……
なんて言ったらいいのかわからないんだけど、
私……」
「お似合いだと思った。
結城くんと水沢さん。
美男美女で……誰も入る隙なんてないぐらい。
今朝のね、水沢さんの挨拶が、すごく心に響いたの。
私だけじゃない、みんなに伝わったと思う。
水沢さんの思いが。
私も、振られちゃったけど、上を向いて生きて行こうって思うよ」
山崎さんは笑って、
教室に戻っていった。
しばらくその場に立ち尽くしてしまった。
みんな、同じ人を好きで、
それぞれの思いがあって……
そんなことを考えていたら、
廊下の向こうから、賢人くんと一緒にこっちに歩いてくる祥太が見えた。



