そうだったんだ……知らなかった。
すぐに、家に来てくれていたんだ。
「頼まれたけど、
付き合ってはいなかった。
声が出てからって思ってたから。
声が出ないうちに付き合ったら、
俺の気持ちばかり、押し付けてしまう気がしていたから。
ちゃんと優衣の気持ちを聞いてやりたかったんだ」
「そうだったのかぁ。
祥太は、真面目だな」
おばあちゃんは、あはははっと笑った。
「祥太、ありがとう」
おじいちゃんがいきなり頭を下げた。
「優衣を大事にしてくれて、ありがとう。
ありがとう……
優衣は、じいちゃんとばあちゃんの、
唯一の宝だ。
ばあちゃんとふたり、娘と孫を同時に失った悲しみで、暗い毎日を送っていたところに、
与えられた唯一の光だ。
田舎だから、噂がすぐ広まって、今までと態度を一変させて、
白い目で見るようになった奴もいっぱいいたんだ。
本当に田舎に優衣を連れてきてよかったんか、
俺らが東京で優衣と暮らしてやった方が良かったんじゃないかって、
悩んだ時もあったんだ。
でも、祥太のおかげだ。
ここにいていいんだって、思えるようになったのは。
祥太が優衣を、
好きになってくれたからだ。
本当にありがとう。祥太には感謝してる」



