席に着き、バッグの中身を出そうとしたら、
前の席の子が振り向いた。
「一緒のクラスだったね」
えっと……
「あれ、覚えてないとか言わないよね?」
あ、あおい?
青井 寧々……
髪を下ろしているから、雰囲気違ってわからなかった……
「東京から女の子が転校してくるって、しかも超かわいいって、
さっきまで男子たちが大騒ぎしていたんだよ」
え。か、かわいい???
あおいが教室を見回したから、
私も見回して見ると、
「やばい、超かわいいんだけど!」
「やっぱ東京の子は違うな」
「お前、声かけてこいよ!」
私の……こと?
私はバッと目をそらして机の上のバッグを見た。
「おかげでさ、
ほら、見てごらん」
あおいが窓際に目線をやると、
祥太が頬杖をついて不貞腐れていた。
「朝から超不機嫌なんだよ、祥太が」