先生と一緒に賑やかな教室に入ると、
一瞬にして静かな教室になり、
教室内の生徒たちの視線が、全部私に集中している気がして、
思わず下を向いた。
「おーい!始業式だから、体育館行くぞ。
後、転入生の水沢優衣さんだ。
今、ちょっと具合が悪くて声が出せない状態だけど、
そのうち出るようになるから、
みんなで待ってやろう。
席は、結城の隣だ。
みんなよろしくな」
私は下を向いたまま、頭を下げた。
顔を上げると、ガヤガヤとした教室に戻った。
生徒たちの間を通ると、ヒソヒソと話し声が聞こえた。
……東京から来た子でしょ
……あのニュースでやってた子
……結城くんと花火大会で一緒にいたの見たよね
……マジで?なんなのあの子
窓際から2列目の1番後ろの席にバッグを置いて、窓際を見ると、
祥太が頬杖をついて座っていた。