新学期が始まった。
朝、買ってもらった自転車に乗り、
学校へと走った。
白いブラウス、
グレーのスカート
紺のハイソックス。
制服の着方があっているのか、
少し高い位置でひとつに結いた髪型が、
おかしくないか、
気になりながら自転車をこいでいた。
校門前の橋を渡り、
門を抜けると、
校舎脇の駐輪場に向かった。
自転車を停めていると、祥太が自転車をこいでいるのが見えた。
そして、私の隣にザザーッと勢いよく自転車で入ってくると、
「おはよ」って笑った。
祥太はちょっと眠そうな顔で、髪もちょっと寝癖っぽくて、
なんだかそれがかわいくて、
思わず笑ってしまったら、
祥太は下を向いて、自分の髪をくしゃくしゃっとした。
「俺、朝ダメだ……超眠い……」
祥太にも苦手なものがあったんだ……
祥太の顔をちらっと下から覗くと、
あははって笑って、
「制服似合ってんじゃん」
って、頭をぽんぽんと撫でた。
その様子を通り過ぎて行く生徒たちが見ていて、
ちょっと気になったけど、
祥太は全然気にしていない様子だった。
そのまま祥太の後をついて校舎に入り、職員室まで連れて行ってくれて、
私は先生と会い、
祥太は教室に行ってしまった。