私は立っていられなくなってしまい、地面にペタンとしゃがみ込んでしまった。
息が苦しい……
頭が痛い……
久しぶりの発作に、どうしようどうしようとさらに不安になり、
息を吸いすぎてしまうという悪循環に陥ってしまっていた。
どうしよう……
太一くんもお母さんたちみたいになっちゃったら、
どうしよう……
私も探しに行かなくちゃ……
でも、体が……苦しい……
下を向いていたら、
口元にタオルを当てられた。
「ゆっくり吐くんだ」
横を見ると、祥太がタオルを抑えていた。
祥太は、太一くんを探しに行ってよ……
私はタオルを抑えると、
祥太の腕を押し、首を振った。
「祥太は太一を探しに行け。
優衣はばあちゃんがついているから大丈夫だ。
早く行け」
おばあちゃんの言葉に私は頷き、
また、祥太の腕を押した。
「優衣、家に行って薬飲むぞ。立てるか?」
おばあちゃんが私の腕を引っ張った。
私はタオルで口を抑えたまま、立ち上がった。
その時、
体がふわっと宙に浮いた。
夜空の中に、まっすぐ前を見つめている祥太の顔………
浮いているんじゃない。
私は祥太に、
抱き抱えられているんだ……