「約束」涙の君を【完】





あおいとアドレス交換するために、人ごみから外れて、出店と出店の間に立っていたら、

祥太たちが戻ってきた。


「何してんの?」


声をかけてきた祥太は、かき氷を持っていた。



「優衣とアドレス交換した」


あおいは、携帯をしまって賢人くんのかき氷を奪った。



「よかったな。


あおいは、いい奴だから」


あおいって……


祥太、あおいって呼び捨てにしているんだ。


あおいも祥太のこと、呼び捨てだし。



あぁぁ…ヤキモチ妬いてバカみたい。


こんなちっちゃなことで。


自分の心の狭さにがっかりしていたら、



祥太がかき氷を差し出してきた。



「うまいよ」




いちご味で、練乳がかかっているかき氷は、


少しだけ食べた跡があって、



氷に刺してあるプラスチックのスプーンで祥太も食べたんだよね……って気になってしまって。



「おい、あおい食い過ぎんなよ、俺のだぞ!」


あおいは、全然気にしないで賢人くんのかき氷を食べているのを見て、


そうだ、気にしすぎだ、意識しすぎだって、私もかき氷を食べた。






甘くて冷たくておいしい……




もう一口と思って、




氷をすくったら、



横からパクって……







祥太が顔を近づけてきて、すくった氷を食べた。



わぁ………



やばい、顔が熱い……





「優衣ちゃん、俺もちょうだい」





え?



賢人くんが一歩近づいてきた。



え、賢人くんにも?





「やらねーよ」





祥太は私の腕をぐっと引っ張って、


自分の後ろに立たせた。