「約束」涙の君を【完】





あおい、知っているんだ……



隠してもしかたないから、私は頷いた。




「やっぱそうなんだ。

ちょっと噂で聞いたことがあったんだ。


もしかしたら、うちの高校に転入してくるかもしれないって」




噂って……


もうきっと全部知られてしまっているんだ。



「何言っても同情してんのかよってなっちゃうだろうし、

何て言ったらいいのか、良い言葉がみつかんないんだけど……」


ゆっくり歩きながら、あおいは「えっと、えっと」と言葉を探していた。


そして、



「元気があればなんでもできる!!」



と、顎を突き出して言った。





…………ん?



「あれ、似てなかった?」




へへへっと笑ってごまかしているあおいを見て、

第一印象の冷たいイメージと全然違うと思った。



綺麗な人なのに、飾り気のないおもしろい人。



思わずあおいの言葉に笑ってしまったら、


あおいも、またへへへっと笑って、




「アドレス教えてよ」って、携帯を出してきた。