誰かが、祥太を呼んだ……
私はそっと顔を上げると、目の前に祥太と同じぐらい背の高い男の人と、
ちょっと怖そうな……いや、綺麗な女の子が立っていた。
「祥太に会えるかなぁって、賢人と話していたとこ」
「あぁ、俺ら今来たから」
「花火は見た?」
「いや、まだ見てない」
「じゃあ、一緒に行く?うちらもまだ見えるとこまで行ってないから」
女の子と祥太のやり取りを、じっと見ていたら、
賢人という人が、私の目の前で手をブンブンと振ってきた。
「心配ないって、この二人はなんでもないから」
え。別にヤキモチを焼いていたわけでは……そんなに睨んでいたかな……
「あぁ、ごめんごめん。
私と祥太はなんでもないよ、ただの同じクラスの友達。
ちなみに、賢人と二人で来たけど、
賢人ともなんでもないから。勘違いしないでよ!」
あ……そうなんだ。賢人くんの彼女かと思った。
「で……えっと……そっちは、
彼女さんですか?」



