「約束」涙の君を【完】




誰かが、祥太を呼んだ……



私はそっと顔を上げると、目の前に祥太と同じぐらい背の高い男の人と、

ちょっと怖そうな……いや、綺麗な女の子が立っていた。

「祥太に会えるかなぁって、賢人と話していたとこ」


「あぁ、俺ら今来たから」


「花火は見た?」


「いや、まだ見てない」

「じゃあ、一緒に行く?うちらもまだ見えるとこまで行ってないから」



女の子と祥太のやり取りを、じっと見ていたら、


賢人という人が、私の目の前で手をブンブンと振ってきた。



「心配ないって、この二人はなんでもないから」



え。別にヤキモチを焼いていたわけでは……そんなに睨んでいたかな……



「あぁ、ごめんごめん。

私と祥太はなんでもないよ、ただの同じクラスの友達。


ちなみに、賢人と二人で来たけど、


賢人ともなんでもないから。勘違いしないでよ!」



あ……そうなんだ。賢人くんの彼女かと思った。


「で……えっと……そっちは、


彼女さんですか?」