ゆっくりと来た道を戻った。
坂道を上り切り、
家に向かってまっすぐの道に出た時に、
遠くから祥太がこっちに向かって走っているのが見えた。
私が立ち止まっていると、祥太が目の前にきた。
祥太は少し息切れしていた。
「ごめん、すれ違ったか…」
祥太は私が隠れていたことを知らずに、謝ってきたから私は首を振った。
【学校まで行ったの】
ボードを取り出しそう書くと、祥太は驚いていた。
「マジか。ごめんな、気がつかなくて」
【女の子が、自転車の後ろに乗ってた】
「ん?後ろ?」
【祥太って彼女いるの?】
「はあ?
今頃そんな事聞くか?
いるわけないだろ」
祥太が、大きな手のひらを伸ばして、
私の頭をポンポンと撫でた。
こういう事、他の人にもしているの?
嫌だ…そんなの.…
私だけにしてほしい。
私、
私……
【祥太をひとりじめしたい‼】



