「ったくよー…何をしたら畳が割れるんだか…」

目の前で土方さんがぶつぶつと文句を言っている。

「えー?
それはですねー、土方さんが原因のストレスが溜まったらですかねー?」

そんないつもの調子で言っているけど昨日の事を思い出して声が震える。

「…はぁ…心配すんな。
追い出したりしねえから。」

そんなあたしを見透かしたように土方さんは言う。

「また総司や平助に怒られるからな。」

「っ〜ありがとう…ございますっ」

そう言って頭を下げると、ポタッと畳の上に何かが落ちた。

「あ…」

「ったく、泣きながらわざと明るくふるまってんじゃねえ。クソガキのくせして」

「ー…はい…」

あたし、泣いてたんだ。

「分かったら戻れ。
きっと総司心配してるだろうから。」

そう言ってしっしと手であたしをはらう。

そして襖を開けようとしたとき土方さんは思い出したように言った。

「あ、そういやお前平助の部屋でなにしてたんだ?」

と。

そこでやっと当初の目的を思い出した。

「…沖田さんの部屋はどこかと聞きたくて適当に部屋入ったら平助の部屋でした。」

…ってあれ?そうだよ!沖田さんの部屋聞かなきゃ!

「総司の部屋なら俺の部屋でてすぐ右に曲がった突き当たりだ。」

え…?

「…なんで聞きたい事わかったんですか?」

「顔に書いてある。まぁ、頑張れ」

そう言って土方さんはあたしを部屋から追い出した。