*。・゜例え記憶をなくしても゜・。*【番外編追加中&リク受付中】

「え……っとどうしました?」

何も怒られる心当たりはない。

むしろ褒めてもらいたいぐらいなのに。

「どうしました?じゃないよ!
女の子なのに傷のこったらどうするつもりなの?!」

「…だって…困っている子みたら助けるのが当たり前じゃないの?」

あたしがそう言うと原田さんは驚いたような顔をして「そっか…そうだよね。君はそういう子なんだ…」と言いながら微笑んだ。

「?何がですか?」

さっきまで怒ってたのになんで笑ってるんだろ?

「…まずは、手当が先だね。」

ぐっと切れている方の手を掴んだ。

「っ!」

その瞬間痛みがはしる。

「…無理しないでって言ったばっかりなのに…。
いたいんでしょ?」

「…はい…」

そう言ったとき、原田さんの後ろに人影が見えて上を向く。

「本当に…バカ」

「あれ?沖田さん…」

そこには沖田さんが立っていて、いつの間にか沖田さんがいてびっくりする。

「どこいってたんですか?」

てっきり見回り?かなんかに戻ったと思ってたのに。

「ほら。」

沖田さんはずいっと袋を押し出すと、また何処かへ行ってしまった。

「あーぁ、素直じゃないね。ほんと」

原田さんはその袋から何やら取り出した。

「これ、消毒とか入ってる袋なの。
きっと取りに行ってくれたんだね。」

ートクン

平助のいつかの話しを思い出す。

『総司は思っているよりずっと優しいんだよ。』

沖田さん…ありがとう…。

袋を抱えながらそう思った。