「ただいまっ」


ー記憶がなくても大丈夫。

あたしにはみんながいる。

みんなみんな優しい人達。

そんな思いと共に沖田さんの胸に飛び込んだ。

「えっ?!」

沖田さんは驚いてたけど正直あたしが一番驚いてる。

なんで沖田さんなんかの胸に飛び込んだのかが不思議で仕方ない。

まぁ、その場にいたからだろうと自分で勝手に解釈する。

「えへへっ」

あたしがそう言って沖田さんを見上げる。

「//…アホ面…」

「ひどいよー沖田さん。
あたしまた家出しちゃうよー?」

「斬るのみです。」

「ぎゃあっ!」

「…嘘ですよ。もう二度としないでくださいね…。」

ーギュッ

「…へ?」

突然の沖田さんのハグに胸が高鳴る。

「今日は逃げ出さないように僕が見張ってます。」

「え?え?」

沖田さんはそれからあたしが寝るまでそんな調子だった。

だけど最終的にはあたしは寝ちゃってどうなかったかは覚えてない。

覚えてるのは、とても安心して寝れたってことだけ。

あとは……沖田さんが可愛かったってことかな?