「ほら、帰りますよ。」

急に沖田さんが言う。

「え?どこに…?」

「決まってるじゃん。僕等の屯所。」

平助は当然!とでもいうように言う。

「だってあたし……」

「僕達に任せてください。
きっと大丈夫ですから。」

「そーそー♪
空は気にしなくていいからね」

そう言って握った2人の手はとても冷たかった。

だけど、こんなに手が冷たくなるまであたしを探してくれたんだ…って思ったら心があったかくなった。

「…ありがとう」

「別に貴方のためじゃありません」

「総司は素直じゃないねー。
そんなんじゃ僕がもらっちゃうよー?」

「なっ?!」

「えへっ。」

隣りでよく分からないから会話が繰り広げられているけど、それを聞くのも楽しかった。

だから忘れてたんだ。

鬼さんの存在を……。