「…ハァ…
間者でもそんな分かりやすい嘘つかないよ」

「俺はガキを斬りたくないんだ。
だからそんな見え見えの嘘をつくな」

「そんな嘘つかない方が身の為だと思うけどね♪」

「嘘ついてると斬りますよ」

「さっきも言っただろ。
記憶ねえ奴がそんな態度とるとは思えねえ。
嘘つく相手、間違えたんだな。」

…現実はあたしが思っているよりあまくなかったんだ。

嘘つき。

その言葉は今でも大嫌い



まだあたしは気付いてなかった。

ーーここは幕末で、そう簡単に人を信じれる世界じゃないということに…

ーー…ここはあたしがいていい時代じゃないということに…