もう秋に入ったある日の夜。

あたしは土方さんの部屋にいた。

…未来の人間と伝えるために。

「ったく…どうしたんだ。急に話があるなんて。」

「…あたし、約150年前から来たんです。」

そういった瞬間土方さんが固まった。

「…冗談「じゃありません。」」

「だからあたし、帰らなきゃならないんです。」

もちろん、ずっとここにいたい。

あんなひとりぼっちの世界に帰りたくない。

だけど、あたしがここにいる理由なんてないし、ここはあたしがいていい時代じゃない。

「…あと、どれぐらいだ。」

「…5ヶ月…ぐらいです。」

「そうか……分かった。
みんなには俺が伝えておく。」

「…そのことなんですけど…言わないでいただけますか?」

「なんでだ?」

「……お別れが辛くなっちゃうから。」

「…そっか…」

「はい。すみません…」

きゅっと唇を噛み締めながら土方さんの部屋を出た。