「おい、左之助ばっかに酌してねーで、俺のもしろ。」

…いつになっても鬼さんは俺様です。

「…今行きますー」

くいっと涙を拭いて土方さんのもとへ向かう。

「はい、いっぱいのんでくださいねえ、土方はん」

とくとくとお酒をくみながら言う。

「おい、ちょっと待て、なんで俺の名をしっている?」

…げ…

「何を言うてますのぉ。
新撰組の鬼の副長の土方歳三言ったら詩を詠むのが下手やって京で有名やないですかぁ。」

「……おいこら、今なんて言った?」

…は?

………あ、今あたし詩を詠むのが下手って言った?!

やば……。

「ただの噂ですぇ。
気にしないでください。」

「噂か…。ここではそんなこと日常茶飯事だしな…。」

「そうですよ」

…ホッ…助かったぁ…。

に、しても…危ない危ない。

気をつけなきゃ。