それでもやってこれたのは、父の存在だった。

きっと迎えに来てくれる。

そう信じて頑張ってきた。

なのに、ある雨の日に見てしまった。

父が見知らぬ女の人と幸せそうに歩いているところを。

信じたれなかった。信じなくなかった。

学校ではいじめられて、家では居場所なんてない。

だけど、妹のためにと思って家事を頑張った。

だけど、ある日家に帰ると妹はいなくなっていた。

この子は俺が面倒を見る。
真琴はいらない。

そう父の字で書かれた紙と離婚届だけがポツンと机の上に置いてあった。

結局、みんなあたしを見捨てた。

こんな性格だったから。

昔から不器用で、言葉が悪くて嫌われ者。

そんなあたしと違って妹は愛想がよくて愛される子だった。

妹が選ばれるのは当然。

だけど、愛してほしかった。

昔みたいに家族4人で幸せに暮らしたかったんだ。