満開に咲いている桜の下、誠と書かれた服を羽織り、ただ凛とその場に立ちながら、

誠と書かれたその旗を真っ直ぐみている。

そんな貴方をただただ見つめる。

…その姿はとても儚く美しい。

ーーー

『じゃあさ、一緒にいて安心する人はいる?』

『…うん。』

『じゃあ、その人といると急に胸がぎゅーってなったりする?』

『…たまに…』

『その人のこと、嫌い?』

『うん……嫌い。』

『じゃあ、その人がいなくなったら?』

『え……や、やだ!』

『その人のこと、どう思ってる?』

『………いつも冷たくて、怖いけど………優しくて、いつもそばにいてくれる人…』

『空、それを好きっていうんだよ。』

『え……』

『もうどうすればいいか分かるよね?』

『っ…うん。平助っ!ありがと!』

ーーーー……

いつも素っ気ない貴方が嫌いだった。

いつも不器用だけど、貴方はいつも優しかった。

嫌いのはずなのに、貴方がいない毎日を想像するだけで悲しくなった。

その時、気付いた。

ううん、違う。

もうとっくに気づいてた。

「お、きた…さん……」

貴方が好きだってことに。