「おい、起きろクソガキ」

そんな目覚めの悪い言葉で目を覚ました。

ううん違う。

「ーーんんんーーーーー!」

殺されかけた。

「っはぁ…はぁっ窒息死させる気ですか?」

せっかく気持ちよく寝てたのに、鼻と口を押さえられたら息ができるわけがなく、必然的に起きてしまう。

「てめえが何回呼んでも起きて来ねえからだろ!
早く朝餉食べてこい!
ったく…今日は一番隊が巡回だっていうのに…てめえはなんで起きねえんだ!
迷惑かけんじゃねえ。」

その上人に罪をなすりつけてきた。

あーあ、こんな大人にはなりなくない。

「ほーい。分かりましたよ。」

のそのそと重い体を起き上がらせてまだよくわからない廊下を歩く。

広すぎなんだよねー…もう。

「…あーぁ、桜、咲かないかなぁ」

もう咲いてもいい時期なのに…。

ぷーと頬を膨らませながら広間へ向かった。