「空っ!空っ!」

今は夕餉時だから人が多い。

そんな中で探すのは不可能に近いけど、空は確か変な服装をしていたはず…。

だからきっと見つけやすい。

「あー…もうっ!」

でもここは広すぎて、すべての場所を探すには多分無理…。

「どこにいるの……?
お願いだから…お願いだから帰ってきて」

そうつぶやいても空は帰ってこない。

いつの間にかお日様は沈んでて、辺りは真っ暗。

また浪士に絡まれてたら?

そう考えたら気が気じゃなかった。

「一旦帰って土方さんに…報告しなきゃ…」

そう言ってふらふらとした足で屯所に帰る。

げっそりした僕を待っていたのは、心配した土方さんだった。