ー沖田sideー

「んー…終わったぁーー」

ずっと座りっぱなしだった足を伸ばしながらそう言う。

「ふわぁ…もう昼餉の時間かぁ…」

夢中になると時間も忘れるって言うけど本当ですね。あれは、

「あ…空、」

ふと自分が追い出した空のことを思い浮かべる。

「空ー?もういいですよー」

思い切り大きな声で叫ぶけど返事はない。

まったくどこまで行ったのか…。

「探しにいくしかないですね。」

…いない。

どこを探しても空は見つからない。

このまま見つからなかったら…?

ードクンっ

『あんたはその手でうちの…うちの大切な人を殺したんや!』

「〜っっ!」

また…だ。

あの日から1人になるとこの映像が頭の中でリピートされる。

「僕はっ…僕はっ!」

違う。僕はっ……。

「空っ!お願いだからいたら返事してっ!」

屯所中走り回って叫ぶ。

そんなに遠くに行っていないはずなのに…。

「…ま…さか…」

僕があんな態度とったから…

「出ていったの…?」

『人殺し!』

っ!違う!

「僕のこの手は…人を守るためにあるんだ…!」

なのに…なのに!

僕はまた人を傷付けるの?

そんなの…

「嫌だっ!」

そう言って屯所を抜け出した。