「………や…だ」


少しの沈黙の後、確かにリィが言った


「…嫌だ…」


瞳に溢れんばかりの涙を溜めてリィが言った
やっと、素直になった


「俺だって嫌だよ。好きでもないヤツと結婚するなんて」


リィ以外の女を妃に迎えるなんて考えたくない

それと…


「嫌だよ。…リィが、俺以外の誰かのモノになるなんて」


そう言って、掴んだのはリィの左手
その薬指に、見たくもないエンゲージリング


「コレ…ビルゴール国の?」

「ん。…レイに婚約破棄されて嘆いてる間に…お父様が…」


なるほどね…
ってことは、リィの意思では無さそうだね