王子様の恋物語


「…………え?」


ポカンと口を開けて固まるリィ


「だから、リィのファーストキスは俺がしっかり貰ってる」

「え、えぇ?!私、知らないよ?!」


そりゃ、知らないでしょうよ


「リィ、寝てたし」

「へっ?!い、いつ?!私の唇、いつから純潔じゃなくなってたの?!」


さっきの涙目はどこへやら…
リィは必死に俺に問いただす


「初めて池連れてった時。リィ、俺の隣で寝たでしょ?無防備に」

「あ!あの時!?」

「そ、あの時。奪ってみた」

「ぬぁぁ…ヒドイ…知らぬ間に私のファーストキス消失してたなんて!」


…なんか傷付くな、その反応
まるで、俺とのキスが嫌だったみたいじゃん