ギャ――――――――ッ!!



 緊張した。

 ホント緊張した。

 心臓バックバクだよ~ぉ。

 好きでもないのに告っちゃったし、いろいろ衝動的だったし。





 星哉はまだ部活中だよね。

 あとで絶対電話しなきゃ。

 奈々には……すぐ、連絡しないと。




 怒るかな。




 だけど、あの男は奈々を使い捨て道具みたいに扱ってる風に感じて、

 そのまんまにしとけなかったんだもん。

 確かに、やりすぎた感はあるけど。





 あれもこれも寿が悪いんだよ!!

 いちいちイライラさせるから!!

 あ~もう言い訳だそれ。

 ダメ、ちゃんと謝って、奈々の許可を取ってからいろいろやろう。





 ツバをゴクッと飲み込んで私は電話をかけた。


 「もしもし?」


 奈々の声は沈んでた。


 「あのね、ごめん。知ってると思うけど、彩並くんと二人で話した。
 でも家とか行ってないからね?」

 「そう……」

 「怒らないの?」

 「ごめんね。ウチ談話室で凄く嫌なこと言ったね」

 「気にしてないよ」

 「ミッキーはウチのこと考えてやってくれたのに……何も考えられなくて」


 もうすでに語尾がよく聞き取れない。


 「奈々さぁ、彩並くんのことどうするの?」

 「諦めようかなって」


 グッと泣きたいのを堪えてるのが分かる声に、携帯電話を握る私の手に力が入った。


 「彩並くんは奈々のこと、特別だって言ってたよ?」

 「うん……」


 あんまり嬉しそうじゃない。

 私が嘘ついてると思ってるのかな。