ヤバかった。

 多分スゴイ、ギリギリだった。

 一昨日の思い出すと心臓がドキドキし始める。

 星哉とだって、キスしかしてないのに……





 あ~どうしよう。

 今日、学校だよ。

 みんなと会うのに……




 寿の前では終始強気の私だけど、それはあいつが、あんなんだから。

 ため息つきながら教室のドアを開けて、自分の席に行こうとし―――




 え?

 何で?



 奈々が一人でうつむいて、自分の席に座ってる。




 寿は?



 まさか土日のうちに話した?


 「奈々、おはよう」


 私が挨拶したら、奈々はガタッと席を立って足早にどこかへ行こうとする。


 「奈々!」

 「ほっといて!!」


 聞いてるんだ。

 だったら私にできること、ない。

 次に星哉が教室に入ってきた。


 「おはよう」

 「おはよう」





 何だか変。

 この間みたいに、視線合わせてくれないんだ。

 土日にあった試合で、結果が出せなかったのかな……


 「話しあるから予備室行こう」


 そう言って私を見た星哉の目。

 優しさの欠片もなくて、冷たかった。




 嫌な予感がする。