デッサンが完成した頃には

もぅ 昼食の時間になっていた

今日もいい出来栄えだ

「お前何で美術部はいんなかったの?」

同じクラスで一度も話した事のない

男子が話しかけてきた

ビックリしていると

「あ、ごめん。いきなり過ぎた?
俺、神田夏来 わかる…?」

「うん。」

人見知りの私は目を合わす事も

できない。

神田夏来(かんだ なつき)くん。

バスケ部エース

見た目が物凄くチャラい

「何で佐倉さん美術部入らなかったの?いつも絵…書いてるのよね?」

凄く疑問そうな顔で見てくる

いつも見ている姿と違い

意外と優しいその姿に少し驚く。

「ぶ…部活は 大変そうだし
自分のペースで書きたかったから…」

「へぇ…すげぇ上手いよな」

感心するように 神田君は言う。