ダイヤの恋人 〜June bride〜

「はい、誓います」


一切の迷いも感じられない程に、キッパリと紡がれた誓約。


それが耳に届いた直後、鼻の奥にツンとした鋭い痛みを感じ、涙が溢れてしまいそうになった。


「では、ルカ。あなたはこの男性を、病める時も健やかなる時も、富める時も貧しい時も、良い時も悪い時も、愛し合い敬い慰め助けて、変わることなく愛する事を誓いますか?」


神父の台詞に込められた意味の重さを、しっかりと心に刻む。


この誓いの言葉を素敵だと感じるのは、自分(アタシ)の全てを懸けて伝えたい程の愛を抱いているからなのかもしれない。


だから…


「はい、誓います」


理人さんの瞳を真っ直ぐ見つめたあたしは、今この瞬間、彼に負けないくらいにキッパリと神様に誓った。